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天皇陛下 ご即位20年 記者会見 全文 その1

【両陛下ご会見全文(1)1/4】(産経新聞 09年11月12日)

【両陛下ご会見全文(1)2/4】(産経新聞 09年11月12日)

(宮内記者会代表質問)

 (問1)両陛下にお伺いします。この20年間、天皇陛下は「象徴」としてどうあるべきかを考え、模索しながら実践してこられた日々だったと思います。日本国憲法では「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と明記していますが、その在り方を具体的には示していません。陛下はご結婚50年の記者会見で「象徴とはどうあるべきかということはいつも私の念頭を離れず、その望ましい在り方を求めて今日に至っています」と述べられました。平成の時代に作り上げてこられた「象徴」とは、どのようなものでしょうか。戦後64年がたち、4人に3人が戦後生まれとなって戦争の記憶が遠ざかる一方で、天皇陛下が即位されてからも国内外の環境は激変しています。天皇陛下は「象徴天皇」という立場から、皇后さまは天皇陛下をお支えするという立場から、これまでの平成の時代を振り返っての気持ち、お考えをお聞かせください。

 天皇陛下 日本国憲法では、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と規定されています。私は、この20年、長い天皇の歴史に思いを致し、国民の上を思い、象徴として望ましい天皇の在り方を求めつつ、今日まで過ごしてきました。質問にあるような平成の象徴像というものを特に考えたことはありません。

 平成の20年間を振り返ってまず頭に浮かぶのは、平成元年、1989年のベルリンの壁の崩壊に始まる世界の動きです。その後の2年間に東西に分かれていたドイツは統一され、ソビエト連邦からロシアを含む15か国が独立しました。そしてそれまで外からはうかがい知ることの難しかったソビエト連邦、及びそれに連なる国々の実情や過去の歴史的事実が、世界に知られるようになりました。このような世界の動きを、深い感動を持って見守ったことが思い起こされます。ベルリンの壁の崩壊から4年後、私どもはドイツを訪問し、ヴァイツゼッカー大統領ご夫妻、ベルリン市長ご夫妻と共に徒歩でブランデンブルグ門を通りました。西ベルリンから東ベルリンに入ると、ベートーベンの「歓喜の歌」の合唱が聞こえてきました。私どもの忘れ得ぬ思い出です。

  しかし、その後の世界の動きは、残念ながら平和を推進する方向には進んでいきませんでした。平成13年、2001年世界貿易センタービルなどが旅客機の突入により破壊され、3000人以上の命が失われました。それを契機としてアフガニスタン、続いてイラクで戦争が起こり、今も両国とパキスタンでは多くの命が失われています。

 このように今日の世界は、決して平和な状況にあるとは言えませんが、明るい面として考えられるのは、世界がより透明化し、多くの人々が事実関係を共有することができるようになったことです。拉(ら)致の問題も、それが行われた当時は今と違って、日本人皆が拉致の行われたことを事実として認識することはありませんでした。このため、拉致が続けられ、多くの被害者が生じたことは返す返すも残念なことでした。それぞれの人の家族の苦しみは、いかばかりであったかと思います。またチェルノブイリ原子力発電所の事故のような、人々の健康や環境に大きな影響を与える事故であっても、当時のソビエト連邦では発表されず、事故についての最初の報道はスウェーデンの研究所からもたらされましたソビエト連邦が発表したのはそれより後のことで、事故のあった地域の人々の健康に与えた被害は、一層大きくなったことと思います。

 国内のことでまず思い起こされるのは、6400人以上の人々が亡くなった阪神・淡路大震災です。地震による家屋の崩壊とともに火災が起こり、誠に痛ましい状況でした。ただ淡路島では、火災がすべて未然に防がれ、また、地域の人々による迅速な救出活動により、多くの人の命が助けられたと聞きました。この地震は、その後に大きな教訓を残しました。建築の耐震化が進められ、人々の間に、災害に対する協力の輪が広がりました。後に他の被災地を訪れた時、自分たちの災害に支援の手を差し伸べてもらったので、お礼の気持ちでこの被災地の支援に来たという人々に会うことがあり、頼もしく思いました。

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